普段、表に顔を出すことは少ないという株式会社アイレップ 取締役ソリューション統括本部長 下山哲平さんに、コンテンツマーケティングやSEOについてのお話を伺ってきました。

アイレップさんと弊社HF.Mは、コンテンツマーケティング総合研究所でビジネスの繋がりがあります。下山さんと話をしているとビジネス視点、コンテンツ視点、どちらから話を聞いていてもめちゃくちゃ熱い人と表現するのがぴったりなお方。良い面しか見ないことが多い僕は良い刺激を受けています。

今回は、一度しっかりとお話をお伺いしたいと思うことが多かったこと。弊社のブログが(デザイン性は置いておいて)立ち上がったというタイミングもあり、せっかくコンテンツを載せる場所ができたんだから、会社ブログでインタビューさせてもらおうと思ったことから、下山さんへインタビューを打診させてもらい、記事化が実現しました。

記事内容としてはコンテンツマーケティングやSEOについての話題がほとんどなんですが、非常に人間味溢れる言葉を最後にいただけたので、タイトルで使いました。ぜひ最後までお読み下さい。

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下山さん(以下、下山):これまではあまり取材に出てなかったんですが、今回はちょっと大野さんのお願いでHF.Mのオウンドメディアに掲載させてほしいということだったので、出させてもらっています(笑)

大野:ありがとうございます!!さっそく本題のコンテンツマーケティングに入りましょう。

アイレップが本気になってコンテンツマーケティングを始めたいから総合研究所を作った

大野:さてさて、本題に入りますが、なぜコンテンツマーケティング総合研究所(以下、総研)を作ったんでしょうか?

下山:僕らはコンテンツを左脳的に科学するのが得意なんです。いわゆるキーワードマーケティングと呼ばれるものですが、キーワードの分析がすごい細かいですし良質なコンテンツだからこそのリンク獲得なども得意です。コンテンツ作りは右脳発想のものも多いかと思いますが、僕らの強みは左脳です。

総研では、ネットマーケティングの領域って成功パターンを誰も知らない中で、コンテンツマーケティングをここに頼めば成功する!というイメージを醸成させたいと思ったんです。つまり、クライアントさんが純粋想起的に「アイレップに頼もう」となってくれないと、僕らが正しいと思うやり方があったとして、採算度外視で良いコンテンツを作ろうという気概を持っていたとしても、まずはお客さんから選んでもらえる状態にしないと意味がないと思った。

今はコンテンツマーケティングって、絶対にやらなければならないという確固たる施策としての地位がないんですね。だから、クライアントさんが重い腰を上げてくれて「よし、やるぞ」って、せっかく思ってくれた一発目が大事なんです。でもその一発目が失敗してしまうと、予算が戻ってこなくなってしまう可能性が高い。ゆえにコンテンツマーケティング自体が失敗だと思われてしまう。

だから、総研はSEOの延長線上でやるのではなくて、僕たちアイレップが本気でやってるんだぞということを示すために作ったのが一番の理由でしょうか。自分たちに仕事が来て、しっかり良いサービスを提供できるようにしたかったんです。

アイレップって外から見ると、どうしても中で記事をしっかりチェックしている人がいないように見えちゃうんです。意外に思われるんですが、コンテンツを設計したり、制作したり、チェックしたり、コンテンツ制作の中心となる作業は、アイレップの中でやってますよ。ということを言いたかったんです。

現在のコンテンツマーケティングの課題

大野:今のコンテンツマーケティングの課題はなんだと感じられていますか?

下山:課題は、クライアントさんが「コンテンツマーケティングってなんかよく分からなかったよね」といって、止めてしまう事例が多いので、コンテンツマーケティングの成果や意義が掴みきれずに、積極的に推進できなくなるのが業界的な課題かなと思います。

なぜ、なんとなく分からないとか、あんまり効果なかったなぁと思われちゃっているか、その課題を掘り下げてみると、メディアやコンテンツの設計とか見立てをしっかりできていなかったのではないか?と考えられます。

クライアント側は、ほんとにオウンドメディアをやったら成果が出るのかというのを深く議論せぬままに進めていってしまう。制作側は、深く成果見立てをしたり、目標を達成するためにこれだけのことをしなければいけないということを、深く要件定義せずに進めてしまう。ここ1-2年はそういった市況環境(課題)だったなという認識です。

その一方で、うまく作るために何をすべきかを考える人が増えている印象です。でも、BtoBの世界では、本当にメディアを回した事がある人が少ないんだろうと思います。メディアさん側ではグロースハックをがっつりやっていると思うんですが、toBでメディアを回すプロが少ないことも気になりますね。

あとはやっぱり、ウェブならではの課題として、恥ずかしくないコンテンツを外に出すというのはすごい重要な要素だと思います。(記事中で)社名やサービス名がバラバラであったりなど、雑誌とは違ってコンテンツに完璧を求められる環境にないので、弊社ではその点を強化し続けていますね。

2016年以降のコンテンツマーケティングはどうなる?

大野:コンテンツマーケティングは来年以降どうなるとお考えでしょうか?

下山:日本におけるコンテンツ系制作の相談が全て弊社に来ているわけではないので、まだ僕らが見えている世界はほんの一部でしかないですが、直近で僕らに来る仕事の中で今変化を一番感じることは、ここ1-2年の間でオウンドメディアを立ち上げたクライアントさんが多かったので、そのメディアが上手くいかないという相談が多いんですね。それは集客(トラフィック)とコンテンツのクオリティ。この2つで悩んでらっしゃる方が非常に多い。

今その相談が来ているということは、次のステージは本当の意味で制作クオリティ(コンテンツ設計・ディレクション能力・集客設計)にシフトしていくんだろうなと思っています。PDCAを回しきるとか、改善しきるとか成果を出すというところにフォーカスが当たるのが来年だと思っています。

なんとなくイケてるから予算がついていたのは去年で一巡したと思うので、これから成果はすごく求められるはずです。そもそも成果の出ないコンテンツマーケティングってなんなんだっけ?と。

検索はなくならないし、SEOの領域は拡大し続けている

大野:SEOは今後どうなっていくのでしょうか?

下山:今でも従来型SEOの印象が強いですよね。昔から言い続けているんですけども、SEOってウェブの制作に組み込んでいく技術の1つなんです。だからSEOがなくなるという発想はありません。

唯一確実に言えるのは、何かを調べたいという顕在化した情報探索において、検索をするということはなくならないわけです。ニーズが顕在化したら検索するという行為は半永久的に残るだろうと。

それを広告の観点から言えば、広告主はユーザーが検索している時の検索画面で何かしらの形で上位にいたいという欲求はなくならないはずです。人が検索したり物を買うということをやめない限りは、広告主側からするとそこで上位を取りたいと思うんです。ウェブマーケティングという領域では、SEOの重要性が昔よりも増してきています。

コンテンツ観点でいうと、Googleからみて読みやすい構造(マシンリーダブル)に設計してあるだけじゃなく、その上に乗っかっているコンテンツが良いものであるか、ユーザーがそのコンテンツを読みやすいか、UIが洗練されているかなど、SEOとして捉えるべき領域も拡大しています。つまり、今までのコテコテの内部施策、The SEOという領域から、UI設計とコンテンツ設計が重要になっています。

まとめると、検索結果に対して、自分たちのコンテンツや情報が上位にいることを望むということを「SEOマーケット」というならば、昔よりも需要は拡大していますね。欲求ということを需要と考えると、間違いなく増えている。

僕らは上位表示をするために、Googleの考えている未来に即して、クライアントに手法を提供しています。それこそコンテンツ制作もです。僕らの視点で見ると、SEOマーケットはむしろ拡大して、非常に良くなってきているかなと思っています。

大野:SEOは専門じゃないので知識不足でしたが、分かりやすいです。ありがとうございます。関係ないんですけど、下山さんって何を目指してるんですか?(笑)

下山:いや、とくになにも(笑)

誰よりも一番良いものを提供できてると思える状態まで仕事をしたいとは思っていますけどね。ようは、腹の底から良いと思う仕事をしたいだけなんです。

大野:急に締まっちゃいましたね。ありがとうございました。

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今お仕事をさせてもらっているアイレップさんの考えを聞いてきましたが、予想以上にボリュームが多くなりました。

コンテンツマーケティングやオウンドメディアの制作に関わっている身として、自分の課題も見えてきたのはよかったな、と。ほんとにコンテンツ作ってるだけじゃだめだな、と。流入経路としてのSEOとソーシャル。リアルの場をどれだけ活用できるかを考えたいところです。

僕の交友関係があからさまになるインタビュー記事。次回は短文でお届けしたいと思います。

この記事の著者情報

大野 恭希
株式会社HF.M 代表取締役。元ギズモード編集長。新しいものが好き。詳しいプロフィールや実績は右上の「代表プロフィール」からどうぞ。